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2020年以降から続く新型コロナウイルスの流行は、飲食業界にとって前代未聞の出来事だといっても過言ではありません。多くの飲食店が経営難に陥り、いわゆる「名店」「人気店」「有名チェーン店」などの閉店も相次いでいます。
その中で業績を上げているのが、いわゆるテイクアウトやデリバリーといった業態の飲食店。不安定な情勢下でも安定した営業ができることが実証されました。フランチャイズによる飲食店の開業においても、一時的な儲けではなく、安定経営といった面から、テイクアウトの飲食店フランチャイズ本部は、より注目を集めていくでしょう。
感染症対策が叫ばれるより以前から、テイクアウトによる海鮮丼のフランチャイズ「丼丸」を展開しているのが株式会社ササフネです。長年フランチャイズオーナーを見守ってきたササフネ会長である大島純二氏に、成功するオーナー・失敗するオーナーの特徴と、フランチャイズ本部が行っているサポートについて伺いました。
丼丸は東京の下町で40年以上愛されてきた老舗寿司屋にルーツを持っています。寿司屋としての知識と経験を活かし、2007年に「海鮮丼専門店 丼の丼丸」をスタート。そのノウハウを広めていくことで、2021年6月時点で400店舗を超える大チェーンとなりました。
大島氏--「結局のところ、どれだけ良いものを安く提供できるかが、成功するか失敗するかを分けるのだと思います」
丼丸を長年経営し、いまだに丼丸四ツ木店で厨房も担当している大島氏は、そう語ってくれました。
大島氏--「私たちフランチャイズ本部からはもちろん開店や運用のノウハウをしっかりお伝えしますし、成功のためのできる限りのサポートをしています。
ですがそれでも残念ながら失敗してしまうオーナーさんはいます。その共通点は、やっぱり利益に走ってしまったことにあると考えています」
通常、飲食店の原価率は30%前後が一般的と言われている中で、丼丸の海鮮丼は原価率が平均して50%程度。商品単価が550円と考えると、薄利多売とも捉えることができます。
大島氏--「確かに薄利多売のように見えるかもしれませんが、海鮮丼というものはご飯にネタを乗せただけのシンプルなメニューです。だからこそ、その品質にごまかしはききません。お客様の目は本当に厳しいもので、しっかりボリュームがあるか、良い食材が使用されているか、常に見極めていらっしゃいます。
丼丸ではオーナーさんごとに独自の仕入れをしていただいてよいことになっていますので、利益重視でネタの価格を下げることはできます。ですがそれで成功したオーナーさんというのは、ほとんど聞き覚えがないですね」
利益に走ることで最終的には失敗につながると語ってくれた大島氏。長期に渡りフランチャイズ本部を経営していく中で大切にしているのは、一時的な儲けに走らないことだといいます。
大島氏--「一時的なブームで人気の出たフランチャイズブランドは、確かに一瞬の儲けはすさまじいものになると思います。ですがやはり長続きせず、困ってしまった結果、丼丸の説明会にいらしたオーナーさんも少なくありません」
フランチャイズオーナーからの支払いは月々33,000円のみという中でも、とにかく長く安定して経営ができるサポートを徹底しているとのこと。
大島氏--「オーナーさんには困ったことがあれば何でも相談してほしいと伝えています。最近では、仕入れ価格を低下させるために、ネタの捌き方の指導も開始しました。
要望があればできる限りのことはしてきた自負があります。そのためこのコロナ禍でも安定して経営いただいているオーナーさんが多いです。ありがたいことです。」
フランチャイズ加盟のための説明会の場は、オーナーさんにとっても本部にとっても「出会いの場」だと考えている大島氏。説明会を希望されたオーナーさんとは直接お話しし、どのようにすれば成功できるのか、どんなノウハウがあるのかなど相談にのっているそうです。
大島氏--「あまりに詳しく話過ぎてしまって、社員に怒られたこともあります 笑
飲食店を経営したい、自分の店を持ちたいという夢を持っている方の助けになれれば嬉しいですので、一度ご相談にきてもらえればと思います」
長年愛される海鮮丼フランチャイズ「丼丸」の魅力に、触れたような気がしました。